ベースアップ　-　トンデモ英語デリート辞典

【ベースアップ】

【ベースアップ】
戦犯度：A

給料salary, pay、賃金wageが上がるに越したことはありません。
だから、ベース・アップは、すべてのリーマンの願いであり、日本では毎年春に、労組によるベース・アップ闘争（春闘）というのがくり広げられます。

しかし、残念ながら、世界英語圏では、ベース・アップで給料は上がりません。この完全インチキ英語を、いまだに使っている日本の会社が不況になるのも、むべなるかなでありましょう。

　ベース・アップという以上に、ベースはbase（底）のことで、upをつけて「底上げ」と言いたいのでしょう。が、upよりrise、raise、increaseという動詞を使うのが、まっとうな英語表現です。
そこで、rise basic pay（基本賃金を上げる）がもっとも自然な言い方。

ベース・アップを名詞句として言いたいなら、pay rise、pay hike、pay increaseです。

ところで、ベース・アップがあるのに、なぜかベース・ダウン（賃下げ？）はほとんど聞きません。
もちろん、こいつもインチキ英語です。

さて、アメリカのemployee（従業員）にとっては、賃上げは、日本人より切実です。日本の組合のように「みんな仲よく一緒に」闘争など、ほとんどないからです。で、こんなジョークが！

Boss：What do you want?
上司「なにか用かね？」

Employee：Well, my wife said I was to ask for a raise.
従業員「はあ、家内が昇給をお願いせよと言うんです」

Boss：Good! I'll ask my wife if I may give you one.
上司「そうか！　なら昇給していいかどうか家内に聞いてみよう」