4重言語・5重言語への道
4重言語・5重言語への道
日本語は、いまもなお確実に進化し続けています。
明治時代、羅馬字会が発案した日本語のローマ字表記(かつての万葉仮名と同じですね)を医師J.C.ヘップバーン(女優キャサリン・ヘップバーンの祖父という説もある明治学院大学の創立者の1人)が『和英語林集成』の中で採用したところから、日本語のローマ字表記をヘボン式と呼ぶようになりました。
このとき、ローマ字が日本語に仲間入りするんです。
ところがこれがまた曲者。ヨーロッパ言語とりわけ英語をこの日本式ローマ字で表記し始めちゃうんです。
するといまもなお、街中に見かけるメチャクチャな英文広告やJ-POPアーティストのアルバムタイトル&歌詞、そしてビーボーイ系兄ちゃんが着ているTシャツの英文メッセージに、ローマ字が早変わりするわけです。
ちょうど、海外で支離滅裂な日本語のTシャツを外国人が着ているのと同じ光景が、日本中いたるところに広がっていきます(J-POP系英語は後ほどご紹介します)。
ちなみに中国人が平安時代の日本を訪れたときも、こんな感じ(漢字?)だったんでしょうね?
でも、これも日本語なんだと考えればそんなに目くじらを立てることもありません。
つまり、日本語はローマ字も飲み込んでしまったのです。このとき日本語は平仮名・カタカナ・漢字プラスローマ字で4重言語になっているわけです。
さらに文字は増えていきます。
i-modeの普及で、日本人は携帯メールをひんぱんに使うようになりました。i-modeで使われる絵文字や顔文字の流行はトンパ文字の比ではありません。
現にそれを使って独創的な組み合わせを、現大和撫子たるギャルたちが普及させています。
名づけて「ギャル文字」の誕生。
いやはや、そういえば、こうした現象は平仮名が誕生したときにも見られましたね。「新おんな手」の誕生です。100年後、200年後、ますます、筆を使わなくなる私たちは、これらの文字は標準文字として使っていくのでありましょうか?
以上が、ボクの歴史的かつ言語学的「日本人はなぜ英語が苦手なのか?」の序論であります。
最初から読んでいただいた方は、さぞお疲れかと思いますが、もう少しおつき合いください。
<戻る トップへ
・日本語の呪縛から脱出せよ! ・どうしたら英語ができるようになりますか?
・日本語は外来語の集まり ・あなたは英語で笑えますか ・NOといえないアメリカ人
・日本の首相よ、ジョークを駆使多用せよ! ・ガイジンが日本語を話す時代
・「英文科だけど、英語できなーい」女子大生 ・日本人は読み書きができるのウソ
・そこに住んでいるだけで話せる ・英語を話さないという「雇用対策」
・中国語が入ってきて日本語が成立した
・そして倭語の逆襲が始まる
・老子はラオヅゥ、孫子はソンヅゥ ・平仮名、片仮名の誕生で2重言語化
・倭語の呪縛「言霊プログラム」 ・ヨーロッパ言語と対比してみれば
・言霊プログラムの発展
・ついに3重言語が誕生
|